設営のコツをつかめば
テント設営は自由になる
一生に一度は、
日本一の頂へ
SABBATICAL 設営・撤収パーフェクトガイド
LEVEL UP 編
富士山に登頂した先のこと
テント泊デビューへの道

STAFF|もっちゃん
7月に富士登山に挑戦し、見たかったご来光に包まれた達成感。その熱も冷めやらぬうちに、登山やテント泊が気になりだしたもっちゃん。新たな挑戦、『テント泊デビュー』を決意したのでした。
キャンプ経験はあるものの‥山用テントはちょっと不安。ということで、山岳用テントのことを教わるため、SABBATICALの河合MDに早速お話を伺ってみます!
今回お話を伺うのは--
A&F COUNTRY 勤続20年
SABBATICAL MD|河合さん
どれだけ豊かな自然に出会い、特別な時を過ごせるか。
バックパックに衣食住を詰め込んで旅する「自由さ」に魅せられ、マイペースにアウトドアを楽しんでいます。刺激も平穏も 。フィールドで生まれる最高の瞬間やワクワクする体験はアウトドアの醍醐味です!


河合MD
前回のチャプターでお話しした通り、取扱説明書を見ながら、ペグやポールの数が合っているか、傷がないかをチェックしましょう。
また、設営の前に|事前にやることも併せて確認してください。
※先に確認するのがおすすめです。
SWITCHBACK|スイッチバックの設営

河合MD
スイッチバックに付属している10本のロープをもやい結びにしたら、早速設営を始めましょう。
もやい結びの方法などは設営の前に|事前にやることのチャプターで詳しく説明しています。

【ポールの特徴と設計思想】
ポールはシンプルな2本構成で、長さが「長いもの」と「短いもの」の2種類入っています。
・長いポール: 前室(フロント)側
・短いポール: インナーテント(リア)側

【なぜ長さを変えているのか?】
前室側はテーブルやチェアを置いて過ごす「リビングスペース(居住空間)」となるため、立った時や座った時の頭上の高さを確保できるよう高めに設計されています。

一方で、寝室となる後方は基本的に横になる場所なので、低く設定しています。高さを前後で変えることで、ポールのトータル長さを短くすることで、軽量化につながります。

快適性や機能を追求しすぎると(メッシュやスカートの追加、ポールの構造増加など)、どうしても重量とコストが増してしまいます。このテントは「軽さと持ち運びやすさ」を最も大切にしているため、不要な部分を削ぎ落とした合理的な設計になっています。

河合MD
TIPS
山岳・バックパッキング用テントにおいて最も重要なのは、「軽量で持ち運びやすく、しっかり眠れること」です。しかし、居住性を極限まで削ぎ落とした「寝るためだけのテント」では、雨が降った際に靴を脱ぎ履きしたり、雨を避けて調理や食事をしたりするスペースがありません。だからといって、居住空間を作るためにタープを別途持参すると、今度は荷物が増えて「軽量化」という山岳テント本来の目的から外れてしまいます。「スイッチバック」は、この“タープが担う役割”をテント自体に一体化させたモデルです。

アウターテントの表と裏ってどっちがどっちかわかりにくいですね・・・どっちが・・表ですか?

表裏が一瞬分からなくなったときは、縫い目は出ているのが外側、裏側にはシームテープ(写真参照)が貼られているのでこちらが内側。
頂点のところを見ればロゴが出ている方がもちろん表面ですね。

外側のピラミッドの頂点をつかんで持ち上げます。これでなんとなくのテントの形を把握します。

ピラミッドの頂点から斜めにジッパーが走っていて、その斜めのジッパーの終わり部分を4か所探します。

これがビルディングテープのスタート地点なので、4か所を持ちます。

4か所を広げて、ビルディングテープを伸ばしてて形を整えます。

もっちゃん
すみません。。ビルディングテープって何ですか?

河合MD
テントやシェルターの地面側に渡されている、構造を固定・維持するための帯状のテープのこと。アウターテントを地面に広げた際、このテープをピンと張ることで「正しく綺麗な四角形(または多角形)」を作ることができ、ペグを打つ位置の目安になります。


河合MD
TIPS
実は初めてテントを立てる時、この形状と場所の位置関係が分からないから最初に戸惑いがちです。どこの場所を押さえていいのか、どこからスタートするのか分からなくて行ったり来たりしてしまいます。
ワンポールテントや2ポールテントの場合は、ピラミッドの頂点の一番下側にスミがあるはずなので、そこを意識してみると構造が理解でき、設営がスムースです。

続いて先ほどの四隅を、ペグダウン(ペグを打つこと)をします。
その時に、四隅のビルディングテープの始点にアジャスターが付いているので、アジャスターの長さを最大までゆるめます。

このビルディングテープを最初からきつく張ると微調整がきかなくなります。なのでペグは余裕をもたせて打ち込み、最後にベルトを引き締めて調整するのがコツです。

アジャスターは、あらかじめ長さを均一に揃えてペグダウンします。長さがバラついていると引きしろに偏りが生じ、均等にテンションを調整できなくなります。

一番よくないのは、この状態(一番引いた状態)でペグダウンすること。アジャスターに余白がないので、バランスを取りたいときに調整が効きません。

河合MD
TIPS
撤収の際に、引いた状態のまましまうと、次もそのまま設営すると初期の状態になるので、片づける時は基本的には半分くらいか、アジャスターを緩めておくのが設営しやすさにつながりますよ。

今回サバティカルで採用している「Vペグ」は強度と軽さを併せ持つジュラルミンVペグを採用しています。

V字の溝が土を噛んでしっかり固定できるため、柔らかい地面でも抜けにくく、重ねてコンパクトに持ち運べるのが魅力です。

× 垂直(地面に対して90度)
ロープを張ると引く方向とペグの角度がほぼ直角に近くならず、地面の穴を押し広げる力が働くため、簡単に抜けやすくなります。

× テントに沿って45度(テント側に倒す)
ロープがペグをまっすぐ引き抜く方向に力がかかってしまうため、抵抗がほとんど働かず簡単に抜けてしまいます。

〇 テントと反対側に45度(テントと逆側に傾ける)
ロープの引っ張る力に対してペグ全体で土を面で受け止める構造になり、摩擦抵抗が最大化して最も抜けにくくなります。

深く打ち込みすぎると撤収の際に抜けにくくなりますし、浅いと抜けてしまうため、深さは8割程度が目安です。

河合MD
TIPS
ペグの穴に紐を通しておくと抜きやすくなるので、必要に応じてご自身で準備して取り付けてみてください。
※画像差し替え

実際にテントを立て始める前に、どのくらいのエリアを使うのかを想像することも大切です。テントの入り口をどっちに向けるか、斜めな場所ではないか、ペグダウンした時のスペースまでイメージましょう。

スイッチバックは高さの低い方にこのロゴが配置されていますのでペグダウンする前に前後も確認しましょう。

テントの設営場所と前後を確認したら、①②(短辺側2か所)をペグダウンしていきます。

①のペグは四隅を固定するベース(始点)になります。この時点では位置や距離感を細かく気にする必要はありませんので、まずはそのまま打ち込んでしまって大丈夫です。

②のペグは、①と同じ短辺側のもう一角に打ち込みます。完成時のきれいな四角形を意識し、①からまっすぐ垂直な位置を目安にペグダウンしましょう。

生地の張りが強すぎても緩すぎてもよくないので、手で軽く引っ張ってピンと張る『ちょうどいい位置』を見極めましょう。この距離感が設営の仕上がりを左右する大切なポイントです。

次に、反対側の短辺③④をペグダウンしていきます。

テントをなんとなく四角に整えて、すぐに③④のペグを打ちたくなるところですが・・・

河合MD
TIPS
ポールテント設営の一番のポイント。それは俯瞰で見たときに、ビルディングテープが正しい位置関係に収まっている状態でペグダウンを行うこと。
「1回張ってみたけど上手く張れなかった」っていう人にもぜひ試して欲しい方法をご紹介します。

白い線部分に隠れているビルディングテープを完全に「見えた状態」にすることで、4本のビルディングテープの位置関係を正しく整えることができます。

テントの4辺をビルディングテープが見えるようにすこしめくってあげる、この見えた状態にすることによって、間違いなく平行に四角くく整えます。

河合MD
TIPS
この方法なら簡単・確実に設営できます。
感覚で進めていくと、①②の奥側はしっかり固定できていますが、手前の③④の位置が歪んでしまうことがあるんですよね。①-③と②-④の縦の長さは引っ張れば自然と決まりますが、横の位置調整は感覚に頼りがちで、ここで歪むとポールを入れたときにどんどん形が崩れてしまいます。
これが、ワンポールや2ポールテントを設営するうえで一番大切なポイントです。ここさえ丁寧にできれば誰でも綺麗に立てられます。


全体を俯瞰で見て、曲がってないか歪みがないかを調整し、③④のペグダウンを進めていきます。

手で軽く引っ張って、ピンと張る、ちょうど良い位置にペグを打って行きます。

もっちゃん
ちなみにペグを打つループが2個あるんですが、。最初のこの4箇所ペグ打つ時は、どっちを固定すればいいんですか?


河合MD
最初に4箇所固定する時は、どちらでも大丈夫ですが、内側のループが上になるように重ねておくと、後からドアを開閉しやすくなります。
2箇所に分かれている理由は、ドアを開けた時でも反対側の支点(壁側)を残すためです。外側が『壁』で内側が『ドア』の役割になっています。


ドアを開けて出入りする機会が圧倒的に多いため、最終的にドア側を開放しても、外側の『壁』のペグが残っていればテントの形状を維持できます。

後で上下は変えることもできるのでそこまで意識しなくてもいいですが、壁側が下、ドア側が上で進めます。

河合MD
TIPS
どの形のテント設営でも言えることですが、ジッパーは締めた状態で設営を始めましょう。
ジッパーが開いたまま片方だけで固定してしまうと、生地のたるみ(遊び)のせいでバランスが崩れ、反対側が突っ張ったり配置がずれたりしてしまうんです。なので、設営時は必ずすべてのジッパーを閉めた状態でペグダウンしてください。

では、ポールを入れていきます。長いのと短いのどっちから入れても大丈夫なんですが、長い方を先に入れるのがおすすめです。背の高い側(広い方)を先に立ち上げた方が、中に入って作業するときのスペースを確保しやすくなります。

狭い場所から大きいものを立てるよりも、広い空間を先に作ってから狭い方へ進んだ方が作業が圧倒的に楽です。なので、大きい方から順番に立てていくのがおすすめです。

ロゴがついている方を上にして、ポールを固定していきましょう。テントのジッパーを開けて中に入っていきます。

ピラミッドの頂点(外側にロゴがない側が高い方)にポールの端を合わせてぐいっと持ち上げます。

続けて奥のピラミッドの頂点(外側にロゴがある方)に、短いポールを入れていきます。

ピラミッドの頂点内部はポールによる摩擦に耐えられるように補強されています。ここにポールの端を合わせていきます。

河合MD
TIPS
2本のポールを入れてテントを立ち上げたら、全体の張り(テンション)を整えていきます。この作業をするときは、一度中に入って開いたジッパーと面ファスナーを必ず閉じた状態で行ってください。
開けたままだと左右のバランスが崩れ、設営後に『ジッパーが引っ張られて閉まらない』原因になり、地味にめんどくさいこと(ペグダウンのやり直し)が起きます。

ポールを入れてテントが立ち上がった後はリッジライン(ピラミッドの頂点間のライン)の確認です。リッジラインにたわみが生じている場合はペグ打ちの位置やテンションが不十分なため、ラインが真っ直ぐ張るまで微調整を行います。

具体的には、ピラミッドの頂点からペグまでのラインの柔らかさやテンションのかかり具合を左右で調整します。

ここのドアにあたる部分は左右が連動しているので、一方を引きすぎるとポールが傾いたり反対側がゆるんだりしてしまいます。

このアジャスターはすでにテンションがかかり始めているため、ストラップを引くにはコツが必要です。片手で根本を持ってテントごと手前に引き、ストラップを引く余裕を作りましょう。その状態でもう片方の手でストラップを引くと、力をかけずに楽に引き締められます。

河合MD
TIPS
ドア部分にあたる三角形の左側のストラップを引きたいのに硬くて引けないときは、一度右側のストラップを少し緩めてみましょう。テントのバランスは前後左右で連動しているため、締めたり緩めたりしながら左右均一に張ることで、テント全体を美しいシルエットに仕上げることができます。
ストラップはぎゅうぎゅうに引きすぎる必要はありません。ある程度ぴんと張れていれば大丈夫です。逆に引きすぎることで必要以上にテンションがかかりすぎることにより破れの原因にもなります。”適度”なテンションを見つけましょう。

1面を整えたら、反対側も同様の作業を行い、リッジラインがピンと張るようにしてください。

続いて、アウターテントについている他のループにペグを刺していきます。この青〇の部分、ピラミッドの頂点からV字で繋がっているループを2か所ペグダウンします。

V字にテントの生地が縫製されているので、両方のピラミッドの頂点、リッジラインがきれいに張れるように引っ張ってペグダウンします。

反対側のV字の先についているループも程よく引きつつ、ペグダウンしていきます。この時に、最初に決めた①-④の位置も微調整が必要ならペグを刺し替えつつ全体のバランスを整えていきます。

続いて、高い方のポールから繋がっている青〇にあるループも引いてペグダウンをします。

すべてのアジャスターが一番伸びた状態でペグダウンを進めていきます。

アウターテントのループ8箇所をペグで固定したら、すべてのアジャスターを締めていきます。順番に決まりはありませんが、片側ばかりを先に締めると傾きが出てバランスが崩れてしまうため、対角線や対になる場所を交互に締めていきます。

アジャスターが縫い込まれている部分は、補強のためにダブルステッチ(二重縫い)になっています。よく見ると、上部はシングルステッチですが、V字部分とその下の横の縫い目は、しっかりダブルステッチで補強されています。

河合MD
TIPS
いわゆる「ピン張り(ピンピンに張る)」について
テントやタープを限界までパンパンに張ってしまうと、風などの衝撃を受けたときに逃げ場がなくなり、一気に破れてしまう危険があります。風船と同じで、膨らみきった風船は少しの刺激で割れてしまいますよね。生地も同じで、多少の「しなり(余裕)」があれば衝撃を受け流せます。テントが破れてしまったというお問い合わせを数件受けますが、ピンピンに張りすぎた状態で強い負荷がかかり、一気に引き裂けてしまったのが原因です。そのため、張りすぎに注意しつつ、このテンションのかかる部分の補強をしっかりしておくことが非常に重要になります。

アウターテントのペグダウンが終わったら、テント外側の真ん中くらいにある黒いループにロープを取り付けていきます。ループの通し方ですが、あらかじめ作っておいたもやい結びの輪っか(先端)を、テント外側の黒いループの下から上へ通します。

できた輪っかの中にロープの反対側の端をまるごと引っ張り出すと、黒いループにロープが結ばれます。

この状態になればOKです。10本のロープを取り付けていきます。すべて同じ長さなのでどこに取り付けても大丈夫です。
ループになっているので取り外しも簡単です。

このロープは基本的に一度取り付けたら外す必要はありません。お好みのロープ(夜間に光る蓄光タイプやリフレクター入りなど)に付け替える場合を除き、基本的には付けたまま撤収して大丈夫です。

河合MD
TIPS
【ガイライン】
風に対する構造の「補強(張り)」
基本的な形はこれで完成です。
これに加えてガイラインをペグダウンしていきましょう。風の押し込みからテントを守るためのプロテクション(補強)として張るものです。風で生地が内側に押し込まれたとき、逆方向に引っ張る力をかけることで、全体のバランスや強度を保ってくれます。風の影響を受けにくい森の中やオートキャンプ場では、面倒で張らない方も多いかもしれませんが、風対策としてはこれが一番重要です。実は地面側のペグ固定よりも、このガイラインのほうが風への耐性を高めてくれます。


もっちゃん
ガイラインを張るときに毎回、長さをどのくらいにすればいいのか悩むんですが、正解はありますか?

このガイラインの長さは、よく「どのぐらいが適切なんですか?」ってイベントでもよく質問されるんですが、長さは『真ん中くらい』が目安です。
本当は遠くに伸ばすほどテンションが効いて安定するんですが、周りの人がつまずく危険もあります。安全性と固定力のバランスが良い『真ん中あたり』で張るのが一番おすすめです。

ガイラインがこのパーツ(カムロック)のギザギザに引っかかることで固定されます。

ガイラインを上に持ち上げてギザギザから外すと緩み、逆にグッと押し込んで噛ませると固定される仕組みです。

10本のガイラインを8か所にペグダウンしていきます。まずは、最初にペグダウンした四か所のガイラインを張っていきましょう。

ガイラインを引く向きは、アウターテントの縫い目に沿った方向が適切です。それぞれをこの縫い目のラインに合わせてまっすぐ引いて少しゆとりを持たせて(この状態では張りすぎずに)ペグダウンします。そして、軽く長さを調整します。

ここのガイラインも締めすぎるとパツパツになって縫製部分に余計な負荷がかかります。過剰にピンと張りすぎていると、ここが破れて弾けてしまいますので、手で軽く叩いてみて『少し張っているかな?』と感じるくらいで充分です。

もっちゃん
ここって、ピンと張ってる方がいいんだと思ってました!。アウターテントが張張りになっている方が、ピンと張ってあって=きれいに張れてるって印象でした。

河合MD
TIPS
もちろんピンピンに張っても良いんです。この先は好みの領域です。
ついシルエットの美しさを優先してギリギリまで張りたくなりますよね。でも実は、少し遊び(ゆとり)を残しておいた方が、風を受けた時に力を逃がせるのでテントにも優しいんです。

残り4本のペグを打って行きます。V字になっている2か所は、まとめて1本でペグダウンします。ガイラインは全部で8本のペグを打ちました。

アウターテントの仕上げに、ベンチレーション(通気口)の丸い形を軽く整えてあげます。このフチには収納時に折れてしまわないよう、しなやかなワイヤーフレームが入っているんです。設営時に少し形を綺麗に整えてあげます。

河合MD
TIPS
【インナーテントの設営】
初めての時は全体の仕組みが分からないまま入るから、中で『あれ、次何するんだっけ?』ってオロオロしがちなんですよね。でも大丈夫です! 入る前に『中でやる作業はだいたいこんな感じだな』ってざっくりイメージを持っておくだけで、戸惑わずにパパッとスムーズに張れますよ。実際にどこを確認してみればいいのか、一緒に見てきましょう。

インナーテントを収納袋から取り出したら、正面に持ってくる目安になるロゴを探します。

このロゴを見つけて、手前のジッパーを開きます。

短いポールの上端は、インナーテントの青い三角の部分に。そして底面は、補強されている青い四角の部分にしっかり収めます。

ポールを立ち上げたら、インナーテントの四隅にバックルが付いているのでそれをばちッと固定すれば、インナーテントの装着完了です。この頂点部分をきっちり合わせれば、おのずと四か所のバックルも取り付け位置が見えてきます!

河合MD
TIPS
【インナーテントの設営】
インナーテントの向き、ポールを合わせる場所、バックルの位置関係が分かればそう難しいことではないことが理解できたと思います。あとは、実際に取り付けるのみ!

河合MD
では、行ってらっしゃい笑

もっちゃん
え、あ、あの!ポールって・・倒しちゃってもいいんですよね・・・!?

河合MD
短いポールを立てる前の状態になるだけなので、安心して倒し大丈夫ですよ!

作業の途中でこのポールが倒れてしまっても、全く問題ないので安心してください。

一旦ポールを倒したら、インナーテントの頂点部分にポールを合わせます。

そして、短いポールが収まっていたアウターテントの頂点に合わせてポールを立てていきます。

ポールの下側は、先ほど確認した補強された四角(青い部分)の真ん中に合わせます。

インナーテントのジッパーを締めた後に、インナーテントの四隅についてるバックルを、アウターテントとパチッと連結していきます。奥(外面)からやるとわかりやすいと思います。

奥(外面)を固定したら、次は手前(内面)のバックルもパチッと固定していきます。

四か所のバックルを固定したら、ストラップを引いて均等にテンションをかけていきます。

ここも引きすぎると床面がいびつに浮き上がってしまうので、バランスを見て引いていきましょう。

河合MD
TIPS
設営に慣れてきたら、短いポールを立ち上げるタイミングで、一緒にインナーテントの生地も引き上げていくイメージで作業するとスムーズですよ。

河合MD
インナーテントがある状態でチェアを4脚持ち込んで、ちょうどひとが4人で過ごせるサイズ設計になっています。
なので『もっとゆったり使いたい』という方には、正直アルニカやスカイパイロットのようなキャンピングテント方が絶対おすすめです。
でもこの軽さと設営の楽さで、4人座ってもおもいのほか、ゆったりしてません?


もっちゃん
天井も高くて圧迫感がなくて、4人座っても比較的ゆったりしてるので・・宴会開けます!笑

河合MD
インナーテントを外せば、もっと人が集まれるので、人数に応じて使い分けが可能です。
あとは、インナーテントのサイズ。
山岳テントの基準なら『4人用』なんですが、オートキャンプだと2〜3人がストレスなく過ごせるサイズ感ですね。なので、実際買うのは『大人2人と小さいお子さん1人』みたいなご家族が多いかなと。写真の通り、大人4人で寝ることもできますよ。

SWITCHBACK|スイッチバックの撤収

河合MD
では、撤収も進めていきましょう。
撤収のコツは次回使う時に使いやすい様にしまう事です。
ガイラインやアジャスターも、次使うことを想定してすぐ使える長さに調整しつつ全てのペグを抜いていきます。

河合MD
TIPS
【ペグ紛失注意!】
撤収時に抜いたペグをそのまま地面に置いて、なくしてしまう方が非常に多いです。背の低い草や石の影に隠れて見落としやすいため、抜いたペグは置かずに手に持ったまま撤収を進めると安心です。
また、抜いたら土や泥をさっと払い、その場で洗える場合は洗って乾燥させましょう。現地で洗うのが難しければ、自宅にお持ち帰り後に洗えばOKです。湿気は道具の劣化につながるため、少し手間に感じても手入れをしておくことで長持ちし、次回も気持ちよくテント設営をはじめられます。

ペグを全て抜いたら、ピラミッドの頂点を2か所持ち上げて軽く揺らして砂や葉っぱを落とします。

頂点を片側に引っ張ってアウターテントを倒し、半分に折った状態に揃えていきます。

最初にペグを打ったアジャスター(青〇)を合わせて持ち

その外側の三角形をつまみ揃えます。ピラミッドの頂点や裾部分を揃えると、テントが半分にきれいに折りたためます。

ピラミッドのピーク2か所を角として、青い四角に収めるイメージでテントを折りたたんでいきます。

端を持ちあげて、ピラミッドの頂点(青い縦線)でテントを折りたたみます。

ビルディングテープなどを内側に入れ込み、四角く整えます。

端を真ん中に向けて折ります。

最後にぱたんと折り合わせます。この時に折り幅と収納袋の幅とがあっていることが理想です。

折り目に合わせてテントを畳んでいきます。上から下(頂点から開口部)に向かって畳み、中の空気をしっかり抜くように意識するとスムーズです。

畳んだら、空気を抜きつつ収納袋に入れます。

河合MD
TIPS
今回はすごくきれいに畳みましたが、例えば撤収を急いでいる時、雨が降ってきたときなどはこの収納袋にがさっと、入れてしまう事も可能です。
テントは一見乾いているようでも、結露や地面からの湿気が残っていることがあります。帰宅後は風通しの良い日陰でしっかり干して、完全に乾かしてから保管しましょう。カビや嫌なニオイ、生地の加水分解(ベタつき)を防ぎます。テントを長く愛用するために必ず行ってください。

河合MD
続いてインナーテント。スクエアなので比較的畳みやすいと思います。収納袋の幅に合わせて畳んでいくのがいいでしょう。

収納袋合わせの幅で畳んでいきます。

左右から真ん中に折ります。

もう一折して、収納袋の幅に合わせます。

折り目に合わせて畳みます。

アウターテントの上にインナーテントを入れます。

ポールを折りたたみ専用の巾着袋にしまい、ペグと一緒に収納袋に入れれば完了です。

河合MD
TIPS
【ポールの畳み方】
ポールを畳むとき、端からパタパタ折っていませんか?実はそれ、中のゴム(ショックコード)を傷める原因に…!正解は「中央から半分に折り、さらにその中央から折っていく」こと。中央から順に折ることでゴムが均等に伸び、ポールの長持ちにつながります。

もっちゃん
あっという間に畳めました!
しかも、あんなに広々していたテントが、こんなにコンパクトになりました!


河合MD
以上でスイッチバックのチャプターは終了です。
最初はうまく張れるかな?と少し不安だったかもしれませんが、テントの基本構造と設営の手順さえ把握していれば、驚くほどスムーズかつスピーディーに立ち上がるのが、この2ポールテントの魅力です。
野外フェスでのベースキャンプ(宴会幕)としてはもちろん、オートキャンプでのリビングスペース、さらにはファミリーキャンプまでこなせる絶妙なサイズ感。最近では、愛犬と一緒に楽しむ「ワンちゃんキャンプ」の拠点としてもおすすめです。
スタイルを問わず柔軟に応えてくれるマルチなギアとして、一幕持っておくだくでアウトドアの楽しみ方がぐっと広がります。

もっちゃん
河合MDありがとうございました!
次回はディークレストについて色々教えていただきます!
バックパックの容量
もっちゃん
バックパックって、容量はどれくらいがいいですか?

ためめ
30リッター前後がいいと思います。 初心者の方はパッキングもまだ上手じゃないし、心配だから荷物を持ってった方がいいと思うんです。「寒いかもしれないから持っていこう」という判断を、「入らないから削る」と妥協するのは、初めてなら絶対的に危険。30リッターあればしっかり持っていけます。 ウエストベルトがあって快適な背負い心地のバックパックを選んでみてください。
想像以上に大活躍!あってよかったアイテム
池ちゃん
これはあってよかったっていうアイテムはありますか?

ためめ
『ゲイター』!今までゲイターを使ったことがなかったんですけど、今回の富士登山で使ってみて、あったかいし足元が汚れなくてよかったです。
富士山は砂地なので、スニーカーで砂浜を歩いた時のように、靴の中にどんどん砂が入ってきちゃうんですが、ゲイターがあるだけでそういう不快感だったり、石ころが入ってきて足の裏を怪我したりするを防げるのでおすすめです。

ためめ
あとは『レインウェア』の上下。
「防寒着」としても使えるので、上下セットで持っていくのはマストです。
上は買うけど、「下は雨が降らなかったらいらない」という方もいますが、富士山は曇ると一気に寒くなるので、防寒としてパンツを履くだけでも全然あったかくなります。
もっちゃん
ちなみに、濡れたレインジャケットを脱ぐ時って、何かに入れてザックにしまうんですか?

ためめ
私はレイディックスで行ったんですよ。
レイディックスってザックの外側に大きなフロントポケットがあるので、パサパサって水気を払ってドライバッグには入れず、そのままグシャッと入れてました。メイン収納の荷物が濡れる心配もないし。
「濡れたものをどう管理するか」という視点から大きめのフロントポケットを備えたバックパックを選ぶのもいいと思います。
体調を支える「水分」と「補給」のコツ
もっちゃん
水は、何リットルぐらい持っていくのがいいですか?

ためめ
水は、あくまで目安ですが…
(体重+荷物の重さ)×行動時間×5
という計算式があります。
私、3リッターぐらい持っていって、普段よりも水をこまめに取るようにしてたので、ほぼなくなりましたね。
もっちゃん
水はバックパックのサイドポケットに入れておくかんじですか?

ためめ
私はミステリーランチのバックパックのチェストに付ける「ウィングマン マルチポケット」にボトルを入れて、ここの水がなくなったらザックから入れ替えて飲んでいました。
ザックのサイドポケットにボトルを入れると、取り出すのが面倒で飲むのを後回しにしがちなんですよね。手を回して取るのも大変だし、毎回誰かに取ってもらうのも申し訳ないって思うとあまり飲めなくなって…それが原因で体調を崩す人も多いので。
一番いいのはハイドレーションだと思います。歩きながらこまめに飲めるハイドレーションはやっぱり楽です。


ためめ
ペットボトルで持っていくなら、大きい2Lのペットボトルじゃなくて、500mlのボトルで小分けにして持っていく方がパッキング的にもいいですし、もし2Lの大きいボトルを落として破損させちゃうと全ての水がなくなっちゃうので…。
あとは水だけじゃなくて、そのうちの一本をスポーツドリンクにするといいと思います。
もっちゃん
登山中は何かエネルギー補給みたいなのはされてましたか?

ためめ
塩分と甘いものとバランスよく取ってました。ビーフジャーキーと、ナッツ、ちっちゃいどら焼き…とか、あと、透明なボトルにナッツとか柿ピーを全部ジャラジャラ入れてザックのサイドポケットに入れてました。
もっちゃん
すごい。 小袋から出してってことですよね。

ためめ
そうです!ゴミも増えないし、歩きながらバーって食べれるので。
富士登山は人のペースに合わせると辛くなるので、歩きながら自分のタイミングでちょっとつまむとか、自分のペース配分ができる工夫が大事だったりします。
意外と重要な「小銭」の準備
池ちゃん
あの・・・富士山のトイレは協力金が必要って聞いたんですけど、小銭は結構あった方がいいですか?

ためめ
小銭はいっぱい持ってった方がいいです。 私、3,000円分くらい100円にしていきました。トイレによって300円だったり400円だったりしますし、小銭を入れないとゲートが開かないトイレもあるので。
山小屋で何か買うときにも使えるので、多めに持っていくのが安心だと思います。
※富士山のトイレは環境維持のため、1回200〜500円の協力金が必要です。
足元・手元を支えるギア
池ちゃん
あと、靴と、靴下のおすすめを聞いてもいいですか?

ためめ
靴は、砂地が多くて足を取られやすいので、足首までキュッと締めて固定できるハイカットがいいですね。
靴下は、ダーンタフのクッションのマイクロクルーがいいと思います。
もっちゃん
手袋ってやっぱり必要ですか?

ためめ
岩場での怪我や日焼け対策に手袋は必要だと思います。
私は基本は暑いけど手を守りたいので、フィンガーレスの「アクティブアイス クロマサングローブ」をしてました。
初心者の方は指先まで隠れるタイプがいいと思います。ご来光を待つ間の山頂付近は、真冬並みに寒いので防寒用の手袋も持っていった方が安心です。
もっちゃん
ステッキ(トレッキングポール)はあった方がいいですか?

ためめ
下りと、上りも砂地のところはあった方が楽だとは思います。
ただ、岩場になると使わなくなるので、私は持ってきましたけど、結局使わなかったので、なくてもいいと思います。
登頂を左右する「服装」
池ちゃん
富士登山の時はどんな服装だったんですか?

ためめ
日中の行程だったので、基本は半袖に「シャドーウィンドフーディー」を羽織って登ってました。パンツは「フェロッシーパンツ」。ある程度の耐水性もあるので、ちょっとしたポツポツの雨ぐらいだったら弾いてくれます。
途中からずっと大雨だったので、その時はレインパンツで、シャドーウィンドフーディーは脱いで、 半袖の上から「ヘリウムレインジャケット」を着てました。
雨が止んで日差しが出るとものすごく暑くて、すごく蒸れてくるので、下のパンツを脱いだりとか、ファスナー上まで開けたり、ヘルムレインジャケットも全部開けて前から風を入れたりしました。
山頂に着くと、白い息が出るぐらいになったので、休憩中や山頂では、中綿のインサレーション「スーパーストランド LTジャケット」を着込んでしっかり防寒。日中登山でも、こういうインサレーションやフリースは絶対にあった方がいいです。とにかく『歩くと暑いけど、止まると風で一気に冷える』という感じだったので…。

ためめ の富士登山スタイル
【基本の登山スタイル】
<その他>
- 日除け対策のほっかむり:チャオラスの手ぬぐい
- シューズ:VASQUE / ブリーズLT NTX
【防寒・雨対策(レインウェア)】
<その他>
- メリノウールのインナー
- バラクラバ:OUTDOOR RESEARCH / バラクラバ
- フリース:OUTDOOR RESEARCH / ヴィガークォータージップ

ためめ
もし、ご来光を見るなら夜中から登って日の出に合わせて山頂にいるとなると、気温はたぶん0度から5度。真冬の都内くらいの寒さになるので、もっと防寒が必要になってきます。
池ちゃん
富士山の気温変化、すごいですね…。お話を聞いていると、状況に合わせてこまめに脱いだり着たりするのが大事なんだってよく分かりました。
でも、フリースとか、中綿のジャケットとか、レインウェアとか…。
種類がたくさんありすぎて、何をどう着ればいいのか…。
次回はOutdoor ResearchのブランドMDの内山さんから登山に必要なウェアのことを、じっくり教えてもらいます。














