パックセーフ RFIDセーフ トラベルウォレット

【はじめに】
　レビューする人間の属性が不明では、読む方も不安になろうと思うので軽く自己紹介をさせていただく。私は最近になってGallagator 25からMYSTERY RANCHを知った。あれは良質だったがS/Mサイズで体格的に合わなかった為、その時点で同ブランドの製品品質がかなり気に入ったので自分にも背負いやすい同ブランド製のリュックサックを探し回り、その過程でスポーツ用品店を行脚していくうちにA＆Fカントリー東新宿店の存在を教えて貰い。そしてそこですら手に入らない小物に悔しがっていたところ、MYSTERY RANCH TOKYOの存在を教えられ、流れ着いた人間だ。
　故にMYSTERY RANCHについても、A&F COUNTRYについても、それぞれの歴史はもちろんのこと、製品群にすら精通しているとは言い難い。しかしながら、四十年は生きてきた人間であればその間に色々な財布に悩まされてきた経験は豊富。ということでそこについては少し期待を頂きたい。

　【美観】
　タイトルにしたほどに私には好みの美観だ。
　上質なナイロンの繊維が行儀よく並んだ表面はよくよくみると生地を少し斜めに使っていて小洒落ている。外観の大きなポイントは斜めにはいったスリットからアクセスできる外ポケットと、その反対面のよりシックなブラックの生地に描かれたシンプルな白のpacsafeのロゴくらいなものだが、その落ち着いた姿がいい。

　これが財布を開いたとたんに機能美に溢れかえる。
　左右を断ち割るセンター部には、まず上にプラスチック製のホルダー。そこから少し下にはペン用の筒状ポートがある。

　左手は下から徐々に大型の収納物を入れておけるポケットが四つと思ったら大間違い。さらに五つ目の一面丸々使ったくらいのサイズのある大型ポケットのスリットも中央近くに縦一閃に切れ込みがある。

　右手側は驚きのカード入れ縦八連。さらにそのすぐ左のスリットも幅広なポケットとなっており。そのさらに少し左を上質なファスナーとそれを囲む縫い目が押さえる。

　こうした一連の機能美はほんの少しの光沢を帯びた黒い糸の縫い目に囲まれており大型ポケットの下部に控えめなグレーでpacsafe RFID SAFEのロゴが記される。

　尚、上にある製品写真は中が明るいグレーのように見えているが、これはおそらくポケットの数などを認識しやすいように色調を変えて見やすくして有るものと思う。私の手元にあるこの財布は外と中でこのような色の変化は起きていないので、そこが不安な方がいらっしゃれば杞憂だと申し上げておく。


　【機能と実用】
　美観の項でポケットの数などにまで言及してしまっているので、使い心地で良いと思った点と改良が必要だと思った点を述べていく。

　まず、小銭入れの使いやすさは抜群だ。
　これまで使ったことのある財布の中でもファスナーを開け切った時の視野が広い。そして縦八連カード入れを全部プラスチック製のカードで埋め、さらにその裏のポケットにも使用頻度の低い会員カードなどをごそっと入れる悪癖を持つ上に指が太い私にも、大きく大きく開くその口は使いやすく狙った硬貨をしっかりキャッチさせてくれる。

　左側の最大サイズのポケットには通帳をいれ、あまり部分にはホルダーにとりつけたカードキーと家の鍵をさしこむようにして、下のペン入れに差し込んだお気に入りのPARKER IMモノクローム ブロンズを鍵が傷つけないようにさせている。

　左側の他のポケットは最小のものが引き換え券やプチ当たり籤などに用いて、次に大きなサイズのものは頂戴した名刺をおさめることに使っている。

　【改善が欲しい点】
　左サイドの三番目に大きなポケットは実はあまり有効活用できていない。というのもホルダーを活用してカードキーと鍵の双方をいれ大型ポケットの端に挿入して保持しているのが原因で、このポケットの横サイドが開いた形状になっているのもあって、中にいれたものが曲がるからだ。事実ポケットそのものの角には入手して数日で皺が寄っている。こういう自分が使っているうちにできた皺はようやく自分の手になじんできたなという実感で嬉しいことだが、中にいれるものによってはそうはいかない。このまま鍵も取り付けておくならば入れられるものは限られるという考えと鍵を別途管理することも含めて思案中だ。

　外ポケットについても少々不安がある。この外ポケットもそう保持力が大きいものではない為、財布を開いた時財布が地面と平行なかんじで開かれている時は大丈夫なのだがペンホルダーが上となるように片手で握りこむと、外ポケットの口が下側になっているのもあって、中に入っているものがずりおちてくる。それがこものならばさばさと落ちるのは間違いない。
　私はこの財布の外見が没個性的になりすぎない大事なアクセントとして外ポケットを見ているのと、結構中に詰め込んで保持力をさらに弱めている二点から、この外ポケットは眺めて楽しむものと割り切ってもう中には何も入れていない。


　【総評】
　少し上で改善が欲しい場所も挙げさせてはもらったが、そもそもが商品写真にあるとおりのとてつもない収納力に少々ケチがついた程度の話で、それも個人的な使い方が改善が欲しくなった要因の一つにあげられる為、実のところまったく気にしてはいない。

　大事なところをもう一度申し述べる。
　この財布の小銭入れは見晴らし抜群で体格がでかく指が太くぎっしり財布にものを詰め込む悪癖持ちでも硬貨が取り出しやすい抜群の出来。
　縦八連カード入れをはじめとした抜群の収納力は、この財布に何を収納させるかで一部ポケットの使用に難が出たりすることもあるが、元が圧倒的収納力なので何も心配いらない。実際街おこしくじの当たりやコンビニの無料引換券専用に使っているポケットがあるなんていうのも余裕綽々の証左と考えて欲しい。

　その上でここまで一度も触れていなかったが、なんかRFID SAFEとかいう機能までついているらしい。本当に申し訳ない。商品ページの見開きの写真の使いやすそうな姿に惚れて買ったので、RFID SAFEはおまけでついてきた機能という認識が今も抜けていない。
　さて、気を取り直して申し上げよう。これだけ使いやすさ抜群の財布に、なんとスキミングなどの犯罪から中のカードを守ってくれる機能までついているらしい。らしいとはなんとも頼りない言い方だが、未然に防がれた犯罪とか結局目にすることもないので、実感が伴わなくて当然ですよね……。


　【はしがき】
　最初の方で申し上げたが、私はMYSTERY RANCHが好きだ。
　Gallagator 25が残念ながら体に合わなかったが、製品の品質とブランド自体が気に入って、ヒップモンキー2でブランドへの信頼を確固たるものとするやいなや、BLITZ 35を新たに選択して、しかもカスタマイズして使えるように、テックホルスターを四つ、ウィングマンマルチポケットを一つ、ウィングマンＡＦＰを二つ、ウィングマンハイドロを一つ、クイックアタッチゾイドバッグ二つetc……と、枚挙に暇がないほどアクセサリー類を充実させた。
　挙句の果てにタウンユースでもMYSTERY RANCH無しでは生きていけないと考え（悪ふざけで言ってます。ご安心ください）SUPER MARKETを新たに入手し、そしてそれまでに使い込んで気づいたHIP MONKEY2の後ろから前への長めの一挙動が多いことでの時間ロス対策として、SUPER MARKETのお供にSTREET MARKETも購入した。

　そう、STREET MARKETだ。
　https://www.mysteryranch.jp/detail/19761442
　こちらにURLを用意した。ご確認いただきたい。まさにこの財布のために誕生したかのような寸法をよくご覧じろ。

　STREET MARKETとこのトラベルウォレットの相性ときたらもうばっつぐん。
　STREET MARKET搭載のキークリップにトラベルウォレットの外についた金具をカシャコンしたら、この二つのアイテムはもう二度と離れられない。
　トラベルウォレットには入りきらない万年筆やシャープペンシル替え芯他の筆記具やちょっと大きめのノートとちっちゃなメモ帳。ハンカチやタオルなどすぐに取り出せないと困ることの多い品物は任せてしまえるし、そうした小物と薄いものにしぼって詰め込む分には、財布はいつでもスタイリッシュにスッと取り出せる。私の場合は詰め込み量は少し抑え気味にしている。強い日照下ではサングラスを手放してはいけない目になってしまったので、サングラス専用薄型眼鏡ケースはいつでもすぐ取り出せる位置にあってほしいからだ。それでも突然の鼻水には一挙動に近い速さで対応もできるし、抜群に使いやすい財布が日々の買い物での小銭や紙幣との格闘時間を極限まで削ってくれる。


　はしがき書くつもりが、ブランドを跨いでの製品同士の相性や活用例をすごい熱っぽく語ってしまって恥ずかしいが、それもこれもすべてはMYSTERY RANCHとPacSafeがつくったいいものをA&F COUNTRYが輸入してきたせいだということにして、そろそろ終わりたい。
　それにしても、RFID SAFEがなんなのかとかそういう製品の肝心の売りのこと全然まったくこれっぽっちも触れずにレビューして本当に申し訳ございませんでした。